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ヴィンテージファーム対談『情熱畑』

第一回『ヴィンテージファームを大いに語る』

[写真 左/右]ヴィンテージファーム総監修:志村(しむら)富男(とみお)氏/ヴィンテージリゾート・ヴィンテージファーム代表取締役社長:山田守郎(やまだもりお)

5月23日に開場式を滞りなく執り行われたヴィンテージファーム。この事業に取り組むことになったきっかけと、事業にかける熱い想い、そしてここにたどり着くまでの苦労話など、お2人に大いに語っていただきます。

ヴィンテージファームの事業に取り組むことになった『きっかけ』

イメージ「農」を通じて家族が語り合う場に

山田:
ヴィンテージゴルフ倶楽部を立ち上げた時のコンセプトは「ヴィンテージワイン」からイメージされる「ひとクラス上のゴルフ場」というところからスタートしています。ですから、シャンデリア・壁紙・装飾品等いたるところにぶどうのイメージを使用しています。そして、ゴルフ場には珍しいと思われますが、ワインセラーを所有し、オリジナルラベルのワインもラインナップしている。そんなワインとは縁のあるゴルフ場です。
そんな私達の元に、3年ほど前からあるお話をいただくようになった。それは、耕作放棄地の有効活用というお話です。ヴィンテージリゾート周辺の地域でも、農業従事者の高齢化が進み、活用されていない農地がたくさんありました。これらを有効活用するにはどうしたらいいかというご相談をいただいていたのです。
そんなタイミングで、北杜市がワイン特区に認定されたこともあり、周辺の農地でワイン用のぶどうを栽培したらどうだろうかというアイデアが浮かんできました。
私たちとしても、単なるゴルフ場ではなく、ご家族で楽しんでいただくリゾート施設への転換ということに取り組んでいる時期でもありました。現代の家族は圧倒的に会話が少ない、触れ合う時間が足りない。家族という情念が育まれていないというのが現状です。家族の絆を強くすることのできるリゾート施設、ヴィンテージ文化というものを創造する中で、農作業体験の場としての農場、また、会話の弾む食事にかかせないワインを生産するための農場として、これらを活用させていただくことを決意したということになります。
観光立県やまなし・そして北杜市のリゾート構想に対しても貢献できる、そんな事業になることを期待しています。

2人の出会い

山田:
農業法人としてスタートするにしても、素人の集まりではどうにもならない。そこで、ワイン用のぶどう作りに精通している方を県の担当の方からご紹介いただくようお願いしていました。ですからぶどう畑を見かけると、ついつい足を止めて作業されている方に声をかけていたんです。その中で、強く印象に残った方がいた。その後、県の担当の方からご紹介いただいたのが、その時の方、志村さんだったんです。志村さんはワイン作りの世界では名前の通った方であることは後から知ったんですが、強いこだわりと哲学を持ってぶどう作りに取り組んでいた。だから「ぜひこの方に監修を」と、即答でお願いをしたんです。

イメージ標高800mの地で新たな挑戦

志村:
私も山田社長のことは強烈に印象に残っていました。ぶどう作り、ワイン作りにものすごい情熱を持った方だな、ということと、耕作放棄地の活用であるとか、家族で楽しめる機会の提供であるとか、ホンモノのサービスを提供することにこだわりを持った方に間違いないということを感じました。
私はワイン用のぶどう栽培に関しては県内外問わず活動してきました。そろそろ地元に貢献できる機会を作りたいと考えていた時期でしたので、ヴィンテージリゾートさんの構想にぜひ協力したい、と要請をお請けしました。
この農地は標高800mの北杜市。これまでぶどう作りに最適なのは700mというのが基準でしたが、日照時間日本一の北杜市で、新たなぶどう作りに挑戦したい、という私の想いもありました。
まさに山田社長の想いと、私の想いが融合した形がヴィンテージファームだと思っています。
山田:
事業を始めるべき時にはいい循環があると思っています。自社の規模では難しかった醸造免許の取得も、ワイン特区の認定により可能になった。そこに志村さんとの出会い。まさにやるべきタイミングだったのだろうと感じています。

開墾~開場式に至るまでを振り返って

山田:
農業経験がなかった我々にとって、土作りがこんなに大変なものだとは想像もできませんでした。生い茂った雑草を刈り取るだけでも大変な作業でしたが、耕し始めたら大きな石がゴロゴロ出てきて耕運機が壊れてしまう。そんな中、志村さんの陣頭指揮で社員総出、さらには志村さんのお仲間も引き連れていただいて、手作業で開墾を進めました。当初の計画から1年遅れることになりましたが、やっとの思いで植え付けまでたどり着けました。
志村:
土作りは農業の基本、ここがとても大切です。ぶどう作りにはある程度排水機能が必要ですが、いかんせん石が多すぎました。ここにたどり着くまでに多くの方にご協力いただいたことに感謝していますし、これだけ多くの方の想いが詰まった農場ですから、きっと成功に向かうだろう感じています。
山田:
開場式に至るまでの準備も大変でしたが、開場式当日は土砂降りの雨。実は予定通り開催できないんじゃないかと気持ちが沈みかけていたんです。ところが、当日は100名を超える多くの方にご参加いただいた。まずはそのことにびっくり。そして、テントの中で開場式のスタートを待っている皆さんがどんな気持ちでいるかと心配している時に志村さんが来場者の皆さんに声をかけられた、「今日は恵みの雨ですね」。それを聞いた時の皆さんの明るい表情に救われました。
志村:
イベントに晴天が望ましいのはもちろんなんです。ですが主催者が沈んでいては仕方がない。実はご参加いただいた皆さんは土にまみれて苗の植え付けをしたかったわけで、多少泥がついても気にはならなかったようです。子供たちにも本当に喜んでもらえたし、皆さんにとって忘れられない体験となったことでしょう。実際に雨が降ることで苗の生長は順調に進んでいます。
山田:
本当に順調に育っていますよね。苗の生長を見るたびに、開場式の雨のことを思い出すんです。志村さんが水の大切さをお話された時に、参加された皆さんが真剣なまなざしでうなずきながらお話を聞かれていた、その後で雨の中、皆さん笑顔で苗植え体験をされて、泥まみれでも楽しそうに会話されている様子を見て、「これこそヴィンテージファームでやりたかったことだ」と確信しました。
志村:
まさにそうだと思います。植物は大切に育てると素直に生長してくれます。人間の魂を込めて育てることで、最高の味付けになる。人間が成長する過程も同じだと思います。そんなことを再認識できる場としての農場になれれば本当にうれしく思いますね。
山田:
ワインオーナー様からはもちろん、山梨県や北杜市からの期待も大きい。プレッシャーもありますが、それに応えられる農場であることを、開場式で確認できました。
志村:
都内から開場式に参加されたご夫婦から、「もっと詳しくぶどう作りとワインについて話を聞きたい」と私のところに後日ご連絡をいただいて、山梨までお越しいただいたんです。将来的にはこの近くに土地を探して、こちらで生活したいとお話されていました。環境は最高ですからね。皆さんからの期待の大きさを感じています。
山田:
本当にうれしい話ですね。1人でも多くの方にそのように感じていただいて、いつでも足を運べる農場、元気を与えられる農場に育てていきたいですね。
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今後の展望について

イメージヴィンテージ文化でお客様に感動と笑顔を

山田:
ヴィンテージファームは単なるぶどう畑ではありません。これまでは一次産業としての農業、二次産業としてのワイン生産、三次産業としての販売がそれぞれの手によって行われていましたが、これからは一次産業から三次産業までを一手に行う「六次産業」というものが必要になってくると言われています。ぶどうの生産からワインの生産、そしてお客様の手にお渡しするまでを一つのストーリー・文化に仕上げ、ワインを囲む皆さんに感動を与えられる事業にしていきたいと考えています。そのためには、もっともっと多くの方にこの農場の存在を知っていただくための努力が必要だと思っています。

イメージ世界を代表するワインに育てていきたい

志村:
高級ワインを生産したいのであれば、フランスの畑と契約して、フランスのワイナリーで生産してもらえばいいこと。でもそれは他社と同じものを作るということで、あまり意味のないこと。ワインには、生産された土地の土・空気・太陽・風・人などの特徴が表れます。この土地の特徴を活かし、日本の食に合う、日本人がおいしいと感じるワインを生産したいという想いがあります。
山田:
志村さんの経験の集大成として、この農場オリジナル品種の栽培もスタートしています。実は名前もまだついていないので、ワインオーナー様から募集することになっています。この土地でしか作れないワインを、皆さんに愛されるワインに育てていきたいですね。
志村:
日本で生まれた、世界を代表するワインに育てていきたい、そんな大きな夢を描きながら、まずはぶどう作りに取り組んでいます。
それと同時に、ぶどう作り・ワイン作りに多くの方に触れていただく機会を提供し、汗をかいて、土にまみれて、ぶどうを味わって、そして一つのものを作り上げる喜びを感じていただきたいと思っています。
山田:
そして最終目的である「家族の笑顔・家族の笑い声」をたくさん生み出せるヴィンテージファームであるために、これからもぜひよろしくお願いします!

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