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ヴィンテージファーム対談『情熱畑』

第三回『ヴィンテージファームの現状』

[写真 左/右]ヴィンテージファーム農場長:萩野敏明(はぎのとしあき)/ヴィンテージファームスタッフ:芳賀正道(はがまさみち)

開場式から5ヶ月、初めて収穫の秋を迎え、ワインオーナー様をお招きしたイベントも終了。すでに来期のぶどう作りを着々と進めているファームを訪れました。

二人にとってのヴィンテージファームとは

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萩野:
農場の立ち上げに携わるのは私自身4回目の経験となります。今までぶどう栽培の適地/不適地の両方を経験してきましたが、最後は山梨か長野の栽培適地で仕事をしたいと考えていました。今年はさすがに暑かったですが、ここは湿度が低くてカラッとしている。ぶどう栽培にとっては最高の気候です。おそらくこれが最後の大仕事。しっかり成果をあげられる農場にしたいと考えています。
芳賀:
農業に携わるのが初めてなので、全てが新鮮。本やインターネットで調べる知識とは比にならないくらい内容の濃い、細かい指導を受けられる毎日はとても勉強になります。私は将来自分の農場とワイナリーを立ち上げたいという夢を持っています。ここでの毎日は苦労もありますが、とても充実しています。将来の自分のためにも、まずは農場長と協力して、この農場をいい畑に育てていきたいと考えています。

ヴィンテージファームの現状

萩野:

初めて畑を見たのが昨年(2009年)の12月。その時はとてもひどい状態で、「本当に畑になるのか?」という印象でした。石がゴロゴロ転がっていて、河原でぶどうを栽培しなければいけないような、「大変なところに来てしまった」というのが第一印象でした。でも、多くの方の協力で、初年度予定よりも多くのぶどうを収穫するところまでたどり着けました。地域の皆さんやヴィンテージリゾートの社員さんが石拾いや肥料まきのお手伝いをしていただいてここまで来られました。
この様に、畑がひどい状態だったので整備が進まず、苗木の植付け開始時期が予定より大幅に遅れました。本来なら植付けを始めるまでに苗木が芽吹いてしまい、大変なことになるところでした。
しかし、春先の異常な低温と標高の高さも関係し芽吹きがこの農場は予想より3週間ほど遅れました。
そのおかげで、植付けを始める頃の苗木は芽吹きを始めたちょうどよい状態になりました。
結果として、その後の苗木の活着率も非常によく「ぶどうの木」と「神様」が私達を助けてくれたと思っています。
今期の収穫までを振り返ると、一部の木の潅水(水やり)が間に合わず、苗木が乾きはじめ枯らせてしまうかもしれないという不安な時期がありました。この時期は昼休みを取る間もなく潅水に対応しながらも生きた心地がしませんでした。あとで後悔したくないので、とにかく祈るような気持ちで対応し、おかげさまで事なきを得ました。

芳賀:
初めてのぶどう作りなので、時期の遅れなど気づいておらず、これが当たり前の状況だと思って作業していました。後から知らされて驚きました。知らされた後は、不安要素はありましたが、ぶどうは元気でしたし、何より「桃栗3年柿8年」という言葉をイメージしていたので、今年植えつけた苗木に実がついたことが信じられませんでした。来期以降がとても楽しみです。

ヴィンテージファームを守るお二人の想い

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萩野:
ぶどうは一年目で実をつけますが、二年目のために木に無理はさせず、実を落とします。ですから一年目の今期は利益を生まないわけですが、来期以降にしっかり利益を生むような管理をするというのが今年の目標でした。そんな中で、使いたい資材や道具が使える体制を整えてくれた会社には感謝しています。その分、来期はしっかり実をつけて、おいしいワインが造れるぶどうを育てることを約束します。
芳賀:
まだ病気の見分けも難しい状態ですが、葉を表から裏からよく見て、あやしいものは報告できるようにはなってきました。来期には本当に貢献できるようにこれからも勉強していきたいと思います。
萩野:
いい農場にできるか、自分が一人前に成長できるかどうかは、会社の農場を自分の農場だと考えられるかどうかだと思いますね。私は常識の範囲に収まる結果には満足できない性格で、来期は質と量で常識を超える結果を達成することを昼夜関係なく常に考えています。
芳賀:
師弟関係は信頼関係。師匠や上司を信用してついていけるかどうか。私は新しいスタッフが入ってきたら、躊躇なく「農場長の言うことを聞いていたら大丈夫」とアドバイスできます。
萩野:
基本的なことは教えられるが、ぶどうを見て感じることは教え事ではないから、経験を積んでいくしかない。私も過去に間違ったことを教えられたことがあるが、それが正しいかどうか、見極める目を育てることも大切。

ワインオーナーイベントについて

萩野:
イベントの数日前、1つの通過点ではあるが管理作業もほぼ終わり、1つの区切りということで1年目の成果を見ていただこうと2人で話しました。
しかし、天気予報は開場式に続き、また雨でした。
芳賀:
「残念ですね」と話していましたが、当日を迎えてみれば見事な快晴。お客様が太陽を連れて来てくれたようです。穏やかな日差しと爽やかな空気の中、畑を散策していただけました。
萩野:
いつも畑とぶどうを見ている者として、これで喜んでいただけるのか心配をしましたが、それは無用でした。
芳賀:
最高の陽気な畑で、志村総監修の話しに聞き入るお客様。ワイン用ブドウを食べて「甘い!」「品種や畑によって味が違う!」などなど、はしゃいでいただけた姿が今も忘れられません。
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オーナー様イベント「ワインの調べ」の様子

ヴィンテージファームのこれから

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萩野:
農場を見学に来られたご夫婦に言われて、頭に残って離れない言葉があります。「私たちはワインオーナーという形で農場に投資している。収穫できなかった時にはどういう対応をされるのか」という言葉です。ヴィンテージファームの会社の利益だけでなく、オーナーの皆さんの期待に応えなければならない。ぶどう栽培で気をつけなければならないのは台風などの災害よりも病害・虫害。ここは気候のおかげでそれらの心配は少なくて済みます。
芳賀:
今年は多くの農場で病気が多かったようです。病気の発生を天候のせいにすることは簡単ですが、人為的なミスというのは少なからずあるはず。ヴィンテージファームは農場長がしっかり目を光らせているので、心配ないです。
萩野:
標高の低い農場でも立派に収穫された農場もあります。全てが天候のせいではないというのは確かですね。

ワインオーナーの皆さまへ

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芳賀:
今期は葉だけ防除していればよかったけれど、来期は実の防除も必要になりますよね?どんな作業量になるのかまだ想像できていませんが、今年の作業量の比ではないと聞いています。作業は大変になるでしょうが、その分収穫は私自身も楽しみです。オーナーの皆さまも、ご検討中の皆さまも、多くの方に足を運んでいただきたい。足を運んでいただいた際には感激していただけるような農場にしたいので、そのために毎日頑張って畑に立ちます。
萩野:
ぶどうやワインを楽しみにしていらっしゃる方のためにも、いいぶどうを生む畑にしたいと思います。この畑の実現に本当に多くの方が携わってくださっています。近所の方、県や市の方、オーナーの皆さま、そして週一回農場のレポートをしてくれている方もいます(ファームブログ参照)。多くの方を裏切らないようにがんばります。
生きていく上で夢や目標を持っても、あきらめてしまうことが多いですよね。私もそういう経験をしてきました。でも、この農場については決してあきらめることなく、絶対に成功させます。おいしいぶどう・ワインが出来上がるのを楽しみにしていてください。

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