
ヴィンテージファームでは、ぶどう・ワインの開発に豊富な経験をもつ志村富男氏を招き、オリジナルぶどう・ワイン作りに取り組みます。
志村富男氏は、「レインカット方式によるブドウ栽培技術の考案」が認められ、1999年度の科学技術庁長官賞(創意工夫功労者表彰)を受賞しました。この受賞は、新技術の開発はもとより、企業間の枠を超えて、全国各地に普及活動を行い、日本のワイン事業に大きく貢献したことが評価されたものです。ワイン関連での受賞は大変稀なケースであるといわれています。
日本の葡萄産地はヨーロッパに比べ降雨量が多いため、果実が完熟する前に腐るなど、良質のワイン用葡萄ができにくい事情がありました。新たな栽培法では、まず栽培形態に、従来の日本式の「棚づくり」ではなく、「垣根づくり」を採用しています。ヨーロッパをはじめとする世界のワイン名産地で多く使われ、ワイン用葡萄の栽培に最適とされている方法です。
「垣根づくり」と「簡易雨避け装置」を組み合わせた、この栽培法によって、欧米の葡萄栽培適地の環境をつくることが可能となり、熟度の高い国産葡萄を安定して収穫できるようになりました。
葡萄の品質は、すなわちワインの品質であり、国産ワインの品質向上に大きく貢献しています。
この栽培法を使った国産ワインが、1997年のフランスワイン醸造技術者連盟主催のワインコンクール"ヴィナリー・アンテルナショナル"において「銀賞」を受賞。これも日本のワインが世界的水準に達したことを証明しています。
志村氏は栽培法だけでなく、オリジナル品種のぶどう開発や、ワイン作りにも定評があります。
ヴィンテージファームオリジナルぶどうから醸造されるワインにも、ご期待ください。
萩野にとって、ヴィンテージファームは4ヶ所目のぶどう農場である。
かつて、信州は斑尾高原農場(現サンクゼール)でワイン用ぶどうの栽培にたずさわった。日照時間の長さと昼夜の寒暖の差が高品質のワインを産み出す、高冷地でのぶどう作り・ワイン造りが、やがて萩野を魅了することとなる。
斑尾時代の彼にとってのもうひとつの財産、それは志村富男氏との出会いである。
志村―萩野のタッグはその後、静岡県に舞台を変え、シダックスが経営する中伊豆志太農場の立ち上げに尽力する。
そして2009年、ヴィンテージファームの立ち上げにあたり、監修を引き受けた志村の脳裏には農場を任せる人物として萩野以外には考えられなかった。寡黙ながらも、その着実な仕事ぶりとぶどうにかける熱意は、すでにシダックス時代に十二分に実証されていた。
サンクゼール、中伊豆ワイナリーと、萩野が足跡を残した農場・ワイナリーは、いまやいずれもウェディング、レストラン、ホテルと、まさに「ワイナリーリゾート」と呼ぶにふさわしい華々しさをたたえている。
しかし、ワインの芳醇さの根本は農業である。華々しさの陰には、忍耐強く、絶え間のない、造り手の汗がある。ヴィンテージリゾート、ヴィンテージファームが葡萄酒色の輝きを放っていたとすれば、それを支えるこの男の存在を忘れてはならない。